電気をカエル計画とは

●節電・電力切り替えで「トクする」

 私たちは「トクする省エネ・トクする電力切り替え」を自治体・産業界に対して導入するよう働きかけています。働きかけの手法としては、都道府県単位で全自治体に対するアンケート調査を実施し、その結果に応じて職員・議員向けセミナーなどを開催したり、直接調査に携わった市民が議員に働きかけるなどの方法で働きかけています。

 単に「省エネ・節電」を求めるのではなく、「こういった商品であれば、これだけ節電できる」「この商品であれば、コスト回収が○年程度でできる」といった具体的な情報を添えて調査・提案することをモットーとしています。

 節電は暗いオフィス、夏の暑すぎる空調・冬の寒すぎる空調などを職員に強いるものでは長続きしません。新しい機器に適切に交換するだけで、現在の職場環境を全くカエルことなく、節電する事業所・職場にカエルことができるのです。
 

●業務用・産業用の電力消費を変えよう 〜照明と空調をカエルのだ〜

 節電がもっとも必要なのは、家庭ではなく、夏・ピーク時の全体の約70%を占める産業用途(自治体含む)での節電です。このうち、オフィスでは照明器具の消費電力が約30%を占めます。これが機器交換で半減できるなら、何も職場環境を変えずにオフィス全体の15%の節電が実現できます。回収前の機器によりますが、イニシャルコストの回収期間は1年から3年程度です。

 また、空調も電気式の空調からガス式の空調に交換することで、9割の節電が可能です。これらのイニシャルコストの回収期間も設備の状況によりますが、10年以上前の機器を交換する場合であれば、3〜5年程度となっています。予算の関係でイニシャルコストが捻出できない場合でも、リースなどを組み合わせれば導入は可能だと考えます。

 業務部門の電力ピークである夏・14時の電力構成の推計は空調42%、照明27%に上ります。10年以上前の空調機器が約半分であると仮定し、さらにその半分を9割節電できるガス式のものと交換することができれば、電力ピークの約10%を抑制可能です。

 参考:http://www.meti.go.jp/setsuden/20110513taisaku/16.pdf

 また、照明も同様に、15年以上前の照明器具が約半分であると仮定し、さらにその半分を5割節電できるものと交換することができれば、電力ピークの約3%を節電することが可能です。その他、特に暑い日での産業活動を数日・数時間だけ抑制すれば、原発が全て停止したとしても、電力需給に問題が生じることはなくなります。

●市民の立場だからできること

 私たちの活動は限りなく企業の営業に近い活動であるともいえますが、これらの「トクする省エネ」に関する情報はまだ十分に自治体・企業の担当者まで伝わっていないのが現状です。特にどの事業所も売り込みは敬遠するのが現状の中、市民が働きかけ、情報を提供することの意味は少なくないはずです。

 市民のボランタリーな立場を生かし、公平性を担保し、多様な省エネ商品の供給企業が競い合うことが重要と考え、最終的な機種・業者までは提案しません。

 最終的な私たちの目標は、社会の省電力・省エネルギー型で、再生可能エネルギーを活用する社会の実現です。トクする省エネでもって浮いたコストを再生可能エネルギーに投資し、再生可能エネルギーも拡大させていく、そんな未来を描いています。